Cottonsnow Cafe

日々の暮らしで感じること、心が軽くなるようなことを綴ります。

イブラヒムおじさんとコーランの花

本当は違う映画を見ようと思ったら人気で入れず、かわりに見たのがこれ。
公式HP→http://www.gaga.ne.jp/ibrahim/
母は自分を生んですぐ家を出、心通わぬ父と暮らすユダヤ人の少年、モモ。
年を偽って娼婦を誘ったり、店で万引きをしたりと、
何かと危っかしく孤独なモモを温かく見守っている、
モモ宅の向かいで食料品店を営むトルコ系移民のイブラヒムおじさん。
彼の優しい笑顔と含蓄のある言葉がモモの心をとらえ、
いつしか人種、宗教を越え実の親子以上の絆が生まれ…というあらすじ。
二人を結ぶキーワードとなるのがコーラン
イブラヒムは、イスラムの教えを信じ、生活にとりいれている。
そこから発せられる言葉がいいのだ。


詳細が思い出せないけど例えば

「靴は変えられるが、足はとり替えられない」
(とボロ靴を履いたモモに靴を買う)

「彼女への愛は、永遠に君のものだ」
(初めて失恋したモモに向かって)

「すべての河は同じ海に流れる」
(モモとの旅の終わりに)

イスラム教って、こわい&禁欲的な印象があるけど、
実際はそうでない、愛に満ちて素朴なものだと気づかされる。
映像も音楽も印象的。
特に、エンディングで流れる
「WHY WE CAN'T LIVE TOGETHER」。
初めて聴いたけど1972年作とは思えぬサウンド。タイトルも示唆的だしね。
決して派手な作品じゃないしすごく泣けるとかはないけど
じんわり、心にしみます。
単なるお涙ちょうだいにならなかったのは、
イブラハムとモモのやりとりが自然だったからかな。
でも普通の何気ないシーンでじわり、もってかれちゃった。
いろんな人に見てもらいたい映画です。